パーキンソン病について

投稿日:2012年4月17日|カテゴリ:Dr.コラム

パーキンソン病は、手足が震えたり、動きがぎこちなくなったりする、脳内の神経伝達物質が少なくなって起こる。予防法や根本治療はまだ見つかっていないものの、医師の指導で早くから適切に薬を使えば、通常に近い生活も送れるようになった。
患者は国内約15万人で、50~70代に多い。遺伝が関係するとはっきり分かっている「家族性」が全体の5~10%で、残りの90~95%は家族に患者がおらず原因が不明の「孤発性」だ。

<パーキンソン病の症状>
家族性、孤発性とも病態は同じ。手足が震える、筋肉がこわばる、動きが遅くなる、体のバランスが取りにくく転びやすくなる ― の4つが主な症状だ。初期によく見られるのは手の震え で、発症して数年たつと他の症状も併発するケースが多い。

■重症度(「ヤール重症度」に基づく分類)
1度:片側の手足に症状がみられる
2度:両側の手足に症状がみられる
3度:姿勢反射障害や歩行障害がある。日常生活はやや制限される
4度:自力での生活が困難で介助が必要となる場合が多い
5度:全面的な介助が必要。立つことができずベッドや車いすでの生活に

<パーキンソン病の診断>
診断は専門の医師が似たような症状が出る病気を除外しながら絞り込んでいく。問診や磁気共鳴画像装置(MRI)の検査などを活用し、薬の影響や脳梗塞などで運動障害が起きていないか確認する。薬を投与した際の心臓の神経細胞の働きから調べる検査法を使う場合もある。

■定義見直しも
近年の研究で、パーキンソン病の主な症状の出る数年前から、別の特徴的な症状が表れることが分かってきた。
それは、においを感じられなく嗅覚症状と便秘、さらに寝ているときに夢の内容に合わせて体が動いてしまう「レム睡眠行動障害」の3つ。海外ではこうした症状が「パーキンソン病患者の半分に見られる」などと報告されているが、残念ながら、今のところ早期診断や治療に結びついていない。

<パーキンソン病の治療>
現在の一般的な治療は不足するドーパミンを補う薬「Lドーパ」やドーパミンを受け取るたんぱく質に作用する薬を中心に、様々な補助薬を組み合わせる手法だ。
また、手術で症状軽減を目指す治療もある。脳に電極を入れ、電気刺激で運動機能を改善する方法だ。薬も電気刺激も対症療法にとどまっているが、早めに治療すれば、通常の生活を長く保てるようになってきた。